振袖には3種類ある!小振袖・中振袖・大振袖の違いとは?
振袖といえば、成人式や結婚式にお呼ばれした際などによく着用されるイメージがあるでしょう。色や柄が豊富で、小物合わせによってさまざまなコーディネートを楽しめる着物です。そんな振袖ですが、種類が3つあることは知らない方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、3種類の振袖の違いとそれぞれの着用シーンについて解説します。
小振袖・中振袖・大振袖の違い
振袖は、未婚の女性であれば年齢を問わず誰でも着用できる着物です。袖の長さによって「小振袖」「中振袖」「大振袖」という3種類の呼び名があります。名前からも分かるように、大振袖、中振袖、小振袖の順で袖が長く、袖が長いほど着物としての格は高いものです。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
小振袖
小振袖は「二尺袖」とも呼ばれ、振袖の3種類の中で一番袖の長さが短く、60cmから85cmほどです。袖が膝くらいまでの丈で短いため、比較的動きやすいという特徴があります。振袖の中では一番カジュアルな印象の着物です。
中振袖
中振袖の、袖の長さは小振袖よりも長く、100cmほどです。着用する方の身長にもよりますが、だいたいふくらはぎや足首くらいまでの丈があります。立ち姿のバランスがとてもよく見える振袖です。振袖と聞いてイメージする人が多いのは、中振袖ではないでしょうか。中振袖は、大振袖に次いで格式が高い礼装です。
大振袖
大振袖の、袖の長さは114cmほどで、くるぶしくらいまでの丈です。袖が引きずるほど長いため「引き振袖」「引き振り」「お引きずり」「お引き」とも呼ばれ、3種類の振袖の中で一番格式が高い振袖です。未婚女性が着る衣装としては第一礼装とされています。
大振袖を着ると、立ち姿がとても艶っぽく、美しく見えます。昔は5つの家紋があしらわれた「五つ紋」が正式な大振袖でしたが、今は省略されることがほとんどです。大きめの柄をあしらった華やかな雰囲気のものから、色無地のものまで、デザインも豊富にあります。
小振袖・中振袖・大振袖の違いの着用シーン
次に、3種類の着物のそれぞれの着用シーンについてお伝えします。格式の違いから、ふさわしいシーンが違ってくるため、振袖を着る機会がある方は参考にしてください。
小振袖
小振袖は、卒業式のときなどに袴に合わせて着用することが多い着物です。大振袖や中振袖よりも袖が短く作られているので袴とのバランスもよく、かわいらしい印象になれます。大学や専門学校の卒業式に出席する学生だけでなく、学校や保育園・幼稚園の先生、最近では小学6年生の女の子が卒業式で着る衣装としてや、幼稚園の女の子が卒園式で着る衣装として着用することも増えています。
卒業式では、カジュアルにブーツと合わせてコーディネートすることも人気です。卒業式以外でも、普段着としてや、ちょっとしたお出かけ・パーティーなどでも着用できます。
中振袖
成人式でよく見かける定番の振袖は、中振袖です。それ以外でも、小振袖よりも格式が高い中振袖は、お祝い事の席やパーティー、お見合い、結納の席、結婚式のお呼ばれなど着用に適したシーンはさまざまです。結婚式のゲストとして参加する際に中振袖を着る場合は、お色直しで花嫁が振袖を着ることがあるため、色がかぶってしまわないように、前もって振袖を着るかと、何色を着るのかを聞いておくのがマナーとされています。
また、花嫁よりも目立たないように、ヘアメイクは控えめな雰囲気にするようにしましょう。
大振袖
大振袖の主な着用シーンといえば結婚式です。花嫁が着る定番の婚礼衣装として、昔から使われています。最近では、結婚式の1着目にウェディングドレスを着て、そのあとお色直しのシーンで大振袖を着用するのが人気です。花嫁が振袖を着る際には、裾をあえて引きずって着用する「引き振袖」にするのが一般的です。色打掛よりも軽くて動きやすいことや、帯が隠れず綺麗に見えるというよさがあります。とくに、高身長の方におすすめです。
成人式には中振袖がぴったり!
成人式ではやはり定番の中振袖がぴったりです。振袖のレンタルショップや写真館で借りられる振袖も、中振袖がほとんどです。鮮やかな色から落ち着いた印象の色までさまざまな色の振袖があり、柄についても、昔からある古典的な柄だけでなく、モダンな柄や、リボンやレースなどの洋風の柄の着物もあるので、好みの雰囲気の振袖を自由に選べます。中には前撮りと成人式当日とで、違う中振袖を着用する人もいます。
レンタルするのであれば、人気のものから予約されてしまうので、1年前には動き始めましょう。また、母親の中振袖を今風におしゃれにリメイクやコーディネートするのも人気です。
まとめ
本記事では、振袖の3つの種類の特徴や、それぞれの種類に適した着用シーンを解説しました。小振袖・中振袖・大振袖で格式が異なり、着用シーンによって使い分けが必要なこともあるため注意しましょう。成人式で振袖を着用する際には中振袖がぴったりだと紹介しましたが、小振袖や大振袖を着てもまったく問題はありません。一生に一回の特別なイベントなので、自分の好きなものを着用しましょう。成人式以外で振袖を着る場合も、3つの種類の特徴や格の違い、着用シーンを知った上で、自由に、楽しみながら選んでみてください。