振袖コーデに用いる帯揚げとは?選び方のポイントを知っておこう!
普段着物にあまり馴染みのない方にとって、成人式などの晴れ舞台で着る振袖は聞いたことがあっても、帯揚げについては、聞いたことがないか、どういうものか分からないという方が多いのではないでしょうか?実はとても奥深く、振袖コーデには欠かすことのできない和装小物である帯揚げについて、今回は詳しく解説します。
そもそも帯揚げとはどのようなもの?
普段着物を着ない方にとっては、聞き馴染みのない帯揚げ(おびあげ)という言葉。どのようなものかまったく分からない…という方も多いのではないでしょうか。帯揚げとは、帯の上辺を飾る長方形の布のことです。
主に、お太鼓結びをするときに使われ、帯枕(おびまくら)と呼ばれる背中部分の形を整えるための小物を包み込むことで、帯結びの形を美しく整える役割があります。また、帯揚げが、着物と帯の間に入ることで、帯回りに色合いがプラスされ、全体のコーディネートのアクセントとなり華やかさを演出してくれることから、振袖にはよく利用されます。
しかし、帯揚げは昔から現在のように使用されていた訳ではありません。江戸時代には、背中部分の形を整えるための帯枕はなく、帯揚げのみで形を整えていました。その後、大正から昭和にかけて、お太鼓結びが普及するとともに、帯枕が使われることも増えてきました。その帯枕の定着とともに、現在では、帯枕は形をキレイに見せるための小物。そして帯揚げは、帯枕を包み込み帯の形が崩れないように締める小物として、華やかさを演出する振袖には欠かせないものになりました。
振袖コーデに用いる帯揚げを選ぶ際に意識するべきポイント
現在では、華やかさの演出として欠かせない小物である帯揚げ。普段使いの多い訪問着や留袖につける場合は、あまり主張しない帯揚げですが、華やかさが重要な振袖に合わせる場合は、通常のものよりも重量感やゴージャス感のある総絞りやぼかし染め、刺繍などを合わせます。ここでは、振袖コーデで失敗しないため、帯揚げを選ぶ際のポイントを紹介します。
■振袖や帯で使っているカラーに合わせる
振袖の柄や帯は、大抵の場合、さまざまな色が使われています。あなたが気に入った色合いの振袖や帯に使われているカラーと同系色の帯揚げを選ぶことで、振袖が引き立ち、統一感のある上品なコーディネートが実現できます。たとえば、最近人気のある青系統の振袖の場合、少しトーンを変えた水色などの帯揚げを選択すると、振袖の持つクールで知的なイメージを引き立たせてくれます。
■あえて振袖や帯で使っていないカラーを選ぶ
一つ目と真逆のポイントなので戸惑った方もいらっしゃると思いますが、これも上手な合わせ方の一つです。これは振袖と帯で統一感を出すため、トーンにもあまり差がないコーディネートをした場合、離れたところから見るとどうしてもぼやけた印象を与えてしまうことがあります。そんなときには、あえて帯締めに濃い目のはっきりとしたカラーを選ぶことでメリハリが付き、全体の印象を一変できます。
たとえば、白系統の振袖と帯を選んだ場合、思い切って帯揚げには、濃い目のはっきりした赤を使ってみましょう。メリハリが付き、ゴージャスな印象に変わります。このように帯揚げは、主役となる小物ではありませんが、使い方次第で与える印象が大きく変わる重要なアイテムなので、このポイントを意識して選んでみましょう。
帯揚げの結び方
帯揚げの結び方といえば、「本結び」といわれるほど、全体のバランスがよく定番ですが、それ以外にもさまざまなアレンジができるのをご存じでしょうか?ここでは、ほかの人と一緒は嫌だという方のために、アレンジした結び方を紹介します。
一つ目は、「一文字結び」です。漢数字の「一」のように見えることから名づけられた結び方で、結び目を作らずまっすぐ横に伸びたシンプルな結び方です。帯揚げの柄を全面的に活かした結び方なので、帯揚げの個性を活かしたいと考える方にオススメです。
二つ目は、「かもめ結び」です。かもめ結びは大きな弧を描く結び方で、その形状がまるでかもめが大空を優雅に飛んでいるように見えることから名づけられました。アレンジ結びの中でも、形状がシンプルで、全体のバランスもとりやすいことから、初心者にもオススメの結び方といえます。比較的簡単で、無駄がなく優雅な雰囲気を出すことができるので、主張の強い華やかな振袖にも相性抜群です。
三つ目は、「リボン結び」です。このリボン結びこそ、「ほかの人と同じは嫌!」という個性重視のあなたに最適。大きなリボンは、存在感がありゴージャスな印象。小さなリボンなら一つだけではなく二つ作ることで可愛らしさを演出できます。
四つ目は、「いりく(入り組)」です。帯揚げを胸元のところで左前の形にクロスさせるとてもシンプルな結び方です。シンプルなので、ふっくらとした総絞りに適した結び方です。このように結び方のアレンジもたくさんあります。着る場面によって結び方を変えるのもオススメです。
シンプルな小物でありながら、コーディネートにも大きな影響を与える帯揚げ。振袖の雰囲気に合わせて、同系色で揃えるのか?それとも差し色としてアクセント的に利用するのか?使い方はさまざま。また結び方でもいろいろな表情を見せてくれます。まずは振袖と同系色で揃えてみて、その後、色味や結び方を変えるなどあなた自身のセンスで振袖コーデを楽しんでみてくださいね!