振袖姿をより美しく見せる!振袖着用時のマナー・作法を知ろう
最近和に触れたい人が増え、とくに外国人観光客の日本ブームが注目されています。京都などの観光地では、着物を着て街を散策する観光客が少なくありません。成人式でも振袖を着用する女性がほとんどで、あでやかな振袖姿が人気を集めています。今回は、振袖を着用時のマナーや作法についてご紹介します。
振袖着用時の立ち方のマナー
習い事などで着物を着なれている女性もいるでしょうが、振袖着用時のマナーは少し堅苦しいかもしれません。立ち方のマナーは洋服のときとは違い、意識して背筋を伸ばし足は閉じて内股気味にします。手は体の前で重ねるようにし、顎を引き気味にすると姿勢がよく見えます。
手首や腕を袖からあまり見えないようにすれば、上品なイメージになるのです。背筋を伸ばすことで猫背を防ぎ、お腹を引き締めます。気を抜いてしまうと美しい立ち方ができないので、できるだけ意識するように心がけましょう。
振袖着用時の座り方のマナー
振袖を含め着物着用時の座り方には、気を付けなければならないことがあります。そして椅子と畳では座り方が異なります。
椅子に座る場合
振袖着用時椅子に座るシーンはわりと多く、車と食事の席など座り方のポイントがあるのです。洋服感覚で座ってしまうと必ず着崩れの原因となるため、ポイントは押さえながら座ることです。椅子の場合は浅めに腰をかけ、帯が崩れないようにしなければなりません。座る前に姿勢を正し、ゆっくり腰をおろして帯が背もたれに当たらないようにします。
袖は地面につかないように膝の上で重ねておきます。若干真っすぐではなく斜めに座るほうが楽かもしれません。裾まわりの着くずれ防止のため、両足は揃えておくのが無難です。椅子の種類によって座りづらいことがあるので、腰が沈むような柔らかすぎるソファーは避けましょう。また、低すぎる椅子は座るのも立ち上がるのも大変なため、高めの椅子を選ぶのが賢明です。
畳に座る場合
式典で正座することはありませんが、家に招かれたときなどは正座するシーンがあります。まず上前や裾が乱れないようにゆっくり腰を落とし、一度膝をついてから座るようにしましょう。両手を膝の上で重ね、両袖は後ろに流すようにします。足の親指を重ねるように座ると、しびれを防ぐ効果があります。
立ち上がるときは、かかとを上げてかかとの上にお尻を乗せ、裾を踏まないように右足から立ち上がりましょう。畳の上はすり足で歩き、敷居や畳の縁を踏まないようにするのがマナーです。
振袖着用時の歩き方のマナー
振袖を着用していると動きづらさを感じるうえ、履きなれない草履で歩くのも苦戦します。しかしせっかく振袖を着用したため、楽しい一日にしたいものです。着物を着用したときにうまく歩くポイントを見ていきましょう。
小さく歩く
洋服のときは大きく歩いても支障はなく、パンツスタイルならより軽快に歩けます。振袖を着用して歩く場合はなるべく小さく歩き、内股気味に歩くことがポイントになります。大きく歩きたくても難しいですが、裾が乱れるような歩き方は見苦しいです。背筋を伸ばし、足の指に重心を置くように歩きます。
ゆっくり歩くことで、おしとやかさが感じられ“大和なでしこ”という雰囲気をかもしだします。履物に関していえば草履は浅く履き、かかとが少しはみ出てもかまいません。歩くときに音を大きく立てるのは無作法なので、鼻緒を足の指で挟むようにして歩きましょう。
そのほかのマナー
ほかにも振袖着用時のマナーや作法があるので、ご紹介します。
車の乗り降りの仕方
車の乗り降りはよくあるシチュエーションなので、覚えておくと美しい動作になります。まず袖を前に合わせて、座席に背中を向けるように立ちましょう。次にお尻からゆっくり座席に座り、着物の裾が乱れないように注意します。なるべく頭を低くして髪型を崩さないようにし、両足を揃えて車の中に入れます。乗っている間は後ろに持たれず、帯がつぶれないように気をつけましょう。
降りるときは、上前を押さえながら両足を揃えて外に出します。足を開いてしまうと着崩れの原因となるので、おしとやかな動きをしましょう。洋服感覚で大胆な動きをせず、ゆっくりとした動作が美しさにつながります。
食事の仕方
食事をする際は、振袖を汚さないように必ず大きめのハンカチを用意しておきましょう。膝や胸元にかけて使用しますが、なるべく広い範囲をガードするのが大切です。ナプキンが用意されている場合は、半分ではなく広げて使うようにします。大きく口を開けるのは見た目もよくないので、ひと口で食べられる大きさに切っておきます。器を持つときは袖を汚さないように注意し、グラスのしずくが落ちないようにナプキンで包むと安心です。片手ではなく両手で持つことで、上品さが増します。
まとめ
振袖を着ると自然におしとやかさが出る感じで、多くの女性はお姫様になったような気分になります。着物は日本の伝統工芸であり、外国人観光客からも厚い支持を受けているのです。振袖着用時に着姿と所作を美しく見せるには、マナーと作法が重要になってきます。振袖を着用する際は、できるだけ小さな動きをするように心がけ、あわてずゆっくりと物事を行うようにしましょう。